
「INFORMATION」 Vol.136 ~2010年4月号~
労働局など公的機関に寄せられる労務相談件数は、毎年右肩上がりで増え続けています。特に、リーマンショック後は顕著です。毎日実務に携わっていると、公表されている統計数値が頷けます。
その中でもトラブルにまで発展するのは、退職した社員との間です。退職後であると会社に対してモノを言いやすくなるからです。この場合に退職者が直接会社に異議を唱え両者間で解決できれば、しこりがなく比較的軽傷で済みます。しかしながら、退職後となるとそうはならず、多くは退職者が第三者を介して金銭的な請求などを申し出てきます。それが顕在化するのは、通常、労働基準監督署からの呼出、弁護士からの内容証明、合同労組からの団体交渉の要求という形で、ある日突然、経営者宛てに郵便が届きます。
在職中から何かと問題のあった社員とのトラブルの場合に、結果として金銭的な負担が生じると、まさに「泥棒に追い銭」と思いたくなります。しかし、問題社員であっても、会社側に落ち度がないとは必ずしも言い切れません。長年、黙認(見て見ぬふり)していたり、部下に任せっ放しにしていたりと。労務管理は面倒で実益を伴わず、できるだけ先延ばしたいと思うのが偽らざる心境です。
また、労務管理の特徴として、あえて明確化せず曖昧さが残るほうが運用しやすく融通が効く、という利点があります。ところが、状況によっては、それが逆に不利益をもたらしてしまうこともあります。「うちの会社に限って・・・」、「今まで大丈夫だったから・・・」というフレーズは徐々に通用しなくなっています。
これからは退職者だけでなく、在職者による未払い残業代請求などの労務問題が激増すると予想されています。それだけに新年度は、労務改善とともにトラブルの土壌となる社風改革を含めて、潜在的なトラブル要因がないかを再確認すべき時期でもあります。
4月の法改正情報
●雇用保険法改正
①雇用保険の適用基準の緩和
雇用保険への加入条件が「6ヶ月以上の雇用の見込み」⇒「31日以上の雇用の見込み」(ただし、週所定労働時間20時間未満の方を除く)に緩和され、適用範囲が拡大されました。
※4月1日以前から引き続き雇用されている労働者の方については、4月1日以後、31日以上の雇用見込みがある場合には、資格取得の手続きが必要となります。
②保険料率の引き上げ
| 従業員負担分 | 会社負担分 | 合計 | |
| 一般の事業 | 6/1000 | 9.5/1000 | 15.5/1000 |
| (旧4/1000) | (旧7/1000) | (旧11/1000) | |
| 建設業 | 7/1000 | 11.5/1000 | 18.5/1000 |
| (旧5/1000) | (旧9/1000) | (旧14/1000) |
③雇用保険に未加入とされた方に対する遡及適用期間の改善(今後施行予定)
事業主が資格取得の届出を行わなかったため雇用保険未加入となった方について、給与から雇用保険料が控除されていることが確認できれば、2年(現行)を超えて遡及適用されます。
●在職職老齢年金の支給停止基準額改定
老齢厚生年金を受給できる人が、引き続き会社に勤めて厚生年金に加入している場合に、年金額と賃金との合計額が一定の基準額を超えると、年金額の全部または一部が支給停止になります。支給停止する際の基準額が、平成22年4月1日から「48万円」⇒「47万円」に改定されます。
※60歳以上の高年齢者を継続雇用する際、受給できる年金額を参考にして賃金額を決定することがあります。賃金額決定のシミュレーションを行う場合には、新しい支給停止基準額での計算が必要です。
●国民年金保険料
平成22年度の国民年金保険料額・・・月額 15,100円
国民年金保険料は、平成17年度以降、毎年280円/月ずつ上昇し、平成29年度には16,900円で固定されることになっています。(物価指数等による変動あり)
●国民健康保険料(税)の軽減措置
国民健康保険料(税)は前年の所得に基づき計算され徴収されます。このため倒産等で職を失った失業者が保険料の支払いに苦慮する事例が増加していることから、保険料の軽減制度が創設されました。
| 対象者 1.倒産・解雇などにより離職した雇用保険の特定受給資格者 | |||||
| 2.雇い止めなどにより離職した雇用保険の特定理由離職者 | |||||
| ⇒ 失業時から翌年度末までの間、前年所得の給与所得を30/100として保険料を算定。 |
※国民健康保険料の方が協会けんぽの保険料よりも安くなるケースが多くなりますので、任意継続の申請を考えている場合は確認が必要です。
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★ 第34回 『賢人の知恵』(バルタザール・グラシアン)より |
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~ その98“聞き手を置いてきぼりにしない” ~
聞き手が不快感を示しているのに、話し手自身が自己満足していて何になるだろう。自分の最良の聞き手が自分というのは、まことにばかばかしいことだ。話し手と聞き手を同時にこなそうとしてはいけない。 また、話すときにやたらと「前にも言ったように」とか「今まさに言おうとしていたのは」などを連発するのは聞き手をうんざりさせるだけだ。話すたびにいちいち承認や賛同を求めないこと。聞き手をいらいらさせることになる。 |